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ドイツ語圏の古典籍データベース利用事情とベルリン国立図書館のデジタル化プロジェクト(〈文化資源情報を考える〉 日本古典籍デジタル化と活用―その行方をめぐって) Part2

立命館大学アート・リサーチセンターで開催された「立命館大学大学院 文学研究科 行動文化情報学専攻 「文化情報学専修」新設記念連続講演会 第2回」のPart2はベルリン国立図書館東アジア部日本担当司書のクリスティアン・デュンケルさんの講演メモっです。ちょうど天理古典籍ワークショップ参加のために来日されていたのにあわせてこの講演会の場が設けられたということでした。

 


 

ドイツ語圏の古典籍データベース利用事情とベルリン国立図書館のデジタル化プロジェクト

立命館大学大学院文学研究科行動文化情報学専攻「文化情報学専修」設置準備企画連続講演会 第2回〈文化資源情報を考える〉日本古典籍デジタル化と活用―その行方をめぐって)
講師: クリスティアン・デュンケル 氏(ベルリン国立図書館東アジア部日本担当司書)
日時: 2013年6月28日(金) 18:00-19:30
場所: 立命館大学アート・リサーチセンター 多目的ルーム

 

ドイツ語圏の古典籍データベース利用事情
  • 18大学(ベルリン,ハンブルグなど15,スイス2,オーストリア1)で日本研究がおこなわれている
  • 教授,准教授 45人(スタッフ200人あまり)
  • そのうち古典籍にふれているのは15~20人ぐらい。

 

データベースの利用者
  • 研究者(大学院生レベルになると利用するようになる学生もいるが多くはない)
  • 博物館学芸員(展示会の準備などでよく利用)
  • 司書
    • 寄贈された和本がどのような内容かを調べる際に利用
    • 早稲田大学,立命館大学の古典籍データベースを目録をとるときなどによく参照している
    • 序文や跋文にくずし字でかかれた人名などを調べることも

     

 ベルリン国立図書館東アジア部の古典籍デジタル化プロジェクト

ベルリン国立図書館について youtube 動画で紹介


Für Forschung und Kultur - YouTube (Staatsbibliothek zu Berlin)

ベルリン国立図書館の特長あるコレクション

  • 新聞コレクション(世界中の新聞を収集)
  • 音楽関係資料(ベートーベン第九の自筆譜資料も所蔵)

東アジア部のスタッフ

  • 総勢 21人(地域別に活動)
  • 中国 7人
  • 日本 6.5人
  • 韓国 2人
  • 中央アジア(モンゴル等) 2人
  • 秘書,作業員等

東アジア部の古典籍資料

  • 1912年までに欧米語で出版された東アジア関係資料 4,000件(製本雑誌 1,000件含む)
  • チベット古典籍 400件
  • 満州古典籍 200件
  • 中国古典籍 600件
  • 日本古典籍 500件(2,800冊あまり)

デジタル化プロジェクト SSG 6,25 Digital

  • ドイツ研究振興協会(Deutsche Forschungsgemeinschaft: DFG)から資金提供を受けている(スキャナー2台と人件費)
  • デジタル化は館内のデジタル化センターでおこなう。外注はしていない。
  • プロジェクトは5年間で2014年4月に終了予定
デジタル化された古典籍へのアクセス方法

1. ベルリン国立図書館デジタルコレクションサイト(Digitalisierte Sammlungen der SB) http://digital.staatsbibliothek-berlin.de/dms/

  • 日本語でキーワード検索が可能
  • 資料タイプと主題で絞り込み可能なブラウジングメニュー
  • 東洋関係の古典籍は「Fächer」で「Ostasiatica」を選択すると参照可能
  • 詳細画面の左側には内容によるナビゲーション,右側には画像を表示
  • 洋装本されてしまった古典籍は90度以上開くことができず見開きでの撮影ができなかっため片面ずつの画像
  • 1ページ,1冊,全巻などの単位でPDFでダウンロードすることも可能。容量は大きめ
  • ドイツ語画面しかない
  • 80年代に出版された目録があるが,あまり知られておらず,デジタル公開してから世界中から問い合わせがくるようになった

2. ベルリン国立図書館東アジア部のOPAC http://gso.gbv.de/DB=1.97/

  • 日本語でキーワード検索可能
  • [SLW] Schlagwörter ([SUH] subject heading) を選択して「貴重書」で検索すると日本の古典籍がすべてヒットする
  • バイナリアイコンがデジタル化画像,ブックアイコンが紙資料
  • Elektron. Referenz (Electron. Reference) を選択するとデジタル化画像へ

3. CrossAsia http://crossasia.org/

  • 東アジア研究のためのポータルサイト
  • Digitale Sammlungen (Digital Collections) のサイトから「5. SSG 6,25 Digital」を選択するとデジタル画像一覧へ

 


 

感想

ドイツ語圏の古典籍データベースについては,あまり知らなかったので特にデジタル化画像へのアクセス方法について日本語で具体的に説明していただいて勉強になりました。また詳細画面で内容による目次がついているのには驚きました。日本でも古典籍アーカイブでも目次レベルまで対応しているものは少ないのではないでしょうか。今後は日本以外で構築されている日本の古典籍のデータベースにも注目していく必要がありそうですね。

 

国立国会図書館月報とEAJRS 2010 Conference Genoaでの発表資料でもベルリン国立書館東アジア部のデジタル化プロジェクトについて紹介されていました。

ウルズラ・フラッへ. ベルリン国立図書館について―東アジアコレクションを中心に. 国立国会図書館月報. 2013, 625, p.24-26. http://dl.ndl.go.jp/view/download/digidepo_8197816_po_geppo1304.pdf, (参照 2013-06-29).

FLACHE, Ursula. “The Digitization of the Berlin State Library's Collection of Japanese Rare Books”.  European Association of Japanese Resource Specialists 2010 Conference. Genoa, Italy, 2010-09-01/04. http://eajrs.net/files-eajrs/Ursula_EAJRS_2010_Digital.pdf, (accessed 2013-06-29).